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2009.10.02 Friday

新型インフルエンザはなぜ恐ろしいのか

新型って何だ?

 新型インフルエンザの話は聞いているが、専門家の話というのはあまり聞いていない。マスコミもどうも切れ切れの知識で、本当に正しいのか不安。そんなわけで手を取った一冊。

 著者はWHO(世界保健機関)で、長年、新型インフルエンザ対策の中心を担ってきた東北大学教授の押谷仁さんとNHK報道局で新型インフルエンザを取材し続けてきた虫明英樹さん。この本は2人の対談形式で進行し、新型インフルエンザが普通のインフルエンザではないこと、これまでの経緯、世界的な流れ、これからの対策について理解を深めることができる構成です。

 この対談形式というのが素晴らしいです。正直、本なんか書くより現場を何とかしてくれ、という気がする作者にとって、時間を割かずに書籍化することができ、さらに、わかりにくい点については読者の代わりに記者が説明してくれたり、説明を補ってくれるので、読んで、すーっと理解できます。

 老人ではなく、若年層で重症化する患者が多い理由のひとつが、普通のインフルエンザの1000倍〜1万倍の繁殖力であること、日本では、10月から11月にかけて第二波の感染拡大が予想されていること、国の行動計画では国民の25%が感染するとされていること。抗ウイルス薬は発症後48時間以内に投与しないと効果がないこと。そんな自分や大切な人の身を守るために必要で、しかもあまり知られているとは言えない知識がたくさん詰まっています。

 マスクをする、手を洗う。そんなレベルの知識では、目に見えない脅威に立ち向かうことはできません。逆に、早期治療の知識がなければ、無駄な差別やいじめなどの問題が起こってしまう可能性もあります。

 例えば、○○さんところの××ちゃん、新型インフルエンザにかかったって。あの子と遊んじゃダメよ。なんて、無知ゆえのいじめにつながるなんて、考えただけでも悲しすぎます。

 その名前からは誤解を生じそうですが、この本を読むと、新型インフルエンザはそもそも、季節性のインフルエンザとはまったく違うということがわかってきます。前回の流行は91年前。1918年から1920年にかけて流行し、世界で400万人以上が死亡したとされています。当時はウイルスの知識もなかったそうで、作者曰く、今回は、ウイルスが発見され、人類が初めて体制を整えて迎えるパンデミック(大流行)なのだそうです。

 つまりザクのデータでシュミレーションしても、グフの動きにはついていけない、ということです。って、却って例がわかりにくいでしょうか?

 果たして人類がウイルスとの闘いに勝利できるのか? 金融危機といい、今回の新型インフルエンザといい、世界がひとつになって取り組まなくてはならないことが、ここ数年はよく起こりますね。

 良くも悪くも人類がこの21世紀を生き延びるための試練が降りかかってきています。そして私達ひとりひとりがそのために知識という武器を手に取ることが、求められているのです。

 ちなみに余談ですが、取引先の方が、シルバーウィークに海外に旅行して、この新型インフルエンザに感染、苦しんだそうです。春の大阪での感染時には、学級閉鎖の高校生がカラオケで遊んでいて問題になりました。

 まずは正しい知識を持って、それから正しい行動をしたいところですね。


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