bizbook.tv

ビジネス書評の小宇宙 bizbook.tv へようこそ。
星の数だけ、人の数だけ、ビジネスの叡智がある。
aguni's BOOK SPACE

<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

<< 新型インフルエンザはなぜ恐ろしいのか | TOP | 「論語」に帰ろう >>

2009.10.11 Sunday

リーダーを支える「論語」入門

現役のサラリーマンだからこそ読める使える「論語」

 著者の青柳浩明氏は(株)東京海上日動コミュニケーションズ執行役員。つまりは現役のサラリーマン。この著者がよりにもよって「論語」の本を書いたというのです。

 私も以前、著者ではない論語の勉強会に、それと知らされずに連れていかれたことがありますが、内容はまったく覚えていません。重苦しい雰囲気の中、お寺の説法のような口調で先生が話をし、皆がじっと聞いている。沈黙に耐えられない私はかなり辛かった印象があります。

 著者プロフィールには、幼少時より中国古典に親しみ、社会人となり『現代論語漢和辞典』著者・大田観川氏に師事し、本格的に『論語』『易経』を学ぶ、とあります。しかしなんと言っても、現役のサラリーマンであるところが、この手の本としては異色でしょう。

 この本によれば、『論語』は499章あるといいます。この本では、そのうち50章を抜き出して訳し、解説を加えています。ポイントは、幼い頃から古典である『論語』に親しみ、現在の社会と仕事の中で、それをどう解釈すれば仕事に役立つのか、支えになるのかを思い悩み、現在に至るまでの軌跡を書き記した、というところにあります。各章の本文と訳の後に、ビジネス訳とその解説文という構成が、この本を独特なものにしています。

 この本は『論語』の正しい解釈を追及したり、極めるための一冊ではありません。むしろ喰わず嫌いが多い『論語』の世界へのエントリーの一冊です。

 著者もこう語っています。

「論語」は崇め奉るようなものではなく、私たちの日々の生活やビジネスにおいて活用すべき合理的な実践書であり、決して学んで損することのない珠玉の教えの宝庫です。

 もちろん、中には、こういう解釈?とか、こういう方法でいいの?というものもあるでしょう。しかし、そこはきちんと原文も載っていますし、原文の訳も載っています。著者の会社や立場ではそう解釈すれば使えるかもしれないけれど・・・というものは、勝手に読み替えて使ってよし。この本の魅力はそんな自由さを読者に与えてくれるところにあるように思います。

 正しい「論語」から使える「論語」へ。優れた古典というものは読むたびに感銘を受けるポイントや解釈が変わってくるものですが、逆に言えば、そういう様々な解釈に耐えうるものが古典としての魅力なのでしょう。

 まずは堅苦しさや面倒くささを取り除いて、正しいものではなく使えるものとしての「論語」に触れてみる。意思決定に悩むマネージャーや経営者に是非、手にとっていただきたい一冊です。


コメント

コメントする









この記事のトラックバックURL

http://blog.bizbook.tv/trackback/994909

トラックバック

▲top