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2009.04.26 Sunday

プログラム―ハーバード大学MBAメソッドによる30代からの結婚へのステップ15


「結婚できない女性」の心理や行動を知るためにも

 原題は、Find a Husband After 35 Using What I Learned at Harvard Business School 。ハーバード大学で学んだことを使った35歳からの夫探し、というのが正しい。日本では2004年の刊行なので、邦訳を30歳からの、と勘違いして買ってしまった女性がそろそろターゲットに入ってきたところ。

 婚カツ、という言葉が流行っているようだ。実はこの言葉を仕掛け始めた出版社がコーチングのプログラムを提供している会社と兄弟会社であるということもあって、ある知り合いの未婚の女性コーチが、婚カツコーチングをやる、という話を聞いて、男性としてかなり違和感を覚えたことがある。


 女性の自分磨き、というのは普通、男性にとっては、受け入れがたい方向に向かうことが多い。未婚のコーチが未婚の女性をコーチしたり、あるいは、未婚の男性をコーチして、どうなるというのだろう、と思ったのだ。特に後者は、自分の男に対するうらみつらみを晴らすようなイメージで、ちょっと怖い気もする・・・。

 一方で、もう昨年のことになるが、ある女性から合コンの依頼を受け、男性を集めたことがあった。2回ほど舞台を設定したが、その女性は会の開始そうそうに男性を見定めると、後はもう心ここにあらず、という態度。自分勝手というか、子どもだなーと思った。何を探しているのか、何を求めているのかわからないけれども、行動に矛盾があるな、と違和感を覚えた。

 その違和感がどこから来るのかわからなかったのだけれども、それが、男性にはあまり分からない、30歳、あるいは35歳という壁の存在である、ということに気づかされたのがこの一冊。この本はそもそも、幸せな結婚生活を送る著者が、そのおすそ分けをしようと、知人の未婚女性をサポートし始めたのがきっかけ。15ステップに及ぶ、マーケティングの考え方に基づいた合理的なプログラムが並んでいる。

 例えば、合コンではなく、独身男性を交換する会、なんてのは面白いし、元カレを自分のプレゼンス(外見)向上に役立てる、なんてのもユニークだ。しかし確かにマーケティング的にはコスト的に無駄がなく、有効だ。最初のデートで肉体関係を持つような女性と結婚する男性は5%(軽い女性は嫌われる!)、既婚者の男性と結婚する確率は1%(だから賢い女性は既婚者には近づかない!)など、もっともな意見が並ぶ。当たり前のことが、なかなかドラマやマンガや映画などのフィクションで恋愛を学ぶ女性には、あまり理解されていないことなのかもしれない。

 最近、身近でも結婚が多く、その結婚式に参加して思うのは、やはり結婚して、しかも身内からもいいお嫁さんだ、と思われる女性というのは、「女性らしい」女性である、ということだ。決して仕事のできる女性でも、自分をしっかり持っている女性でも、カッコイイ女性、というポイントでは、奥さんとしては評価されない。(そういう場合、男性陣はありゃ大変だろうなぁ、いつまで続くのかなぁ、と陰口を叩いている。

 それはなぜか、というと、そういう社会通念が現実としてあって、それにあわせることができるような社会性を持っている、ということを示しているから、ではないかと思う。葬式で自分らしさをアピールするために、パーティドレスで参加する人はいないだろう。同様に、結婚式も儀式なのだから、それなりに要求されている姿を演じる必要がある。それが社会性がある、というものだ。

 おそらくこの本のプログラムは、そういう現実を知り、うまく演じられるようになる、という意味合いも込められている。20代までの女性は、それこそ蝶よ花よとちやほやされて、それが当たり前と思って生きてきただろう。しかしそれは単に周りが子ども扱いしてきただけである。結婚というのは、子どもが大人になるという意味も持っており、これまでの自分とは違う行動を期待されているのだ。

 男性側から見れば、20代までの女性は声をかけやすい。楽しいし、気楽でもある。だから、子どもでも許される。30歳以上になると、子どもでは相手にしたくない。大人の対応が求められる。

 よく考えれば当たり前のことだけれども、これも誰も教えてくれないこと。そういう意味でも、有益な一冊である。その上、著者はユーモアもたっぷりで、読み物として読んでいても、とても面白い。残念ながら品切絶版のようだが、中古で入手していただきたい。

 もちろん「結婚できない女性」の心理や行動を知ることは、独身男性諸君にとっても有益だろう。著者も言うように、マーケットを知ることは、得たい目的を果たす上で、とても有効な方法なのだから。


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