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2009.06.14 Sunday

1億人を動かす技術

 TVを作っている人の頭の中を覗いてみる

 実は最近、ビジネスのノウハウというのはパーソナルな分野にも有効ではないか、と思っている。そういう流れで買った一冊。

 本書のテーマを簡単に説明すると、TVのプロデューサーが考える、ポジショニングとコミュニケーションについて書かれたもの。ポジショニングというのはマーケティングでよく使われるマトリクスを使っている。番組の企画からタレントの位置づけまで、いろいろな使われ方をしている。


 コミュニケーションについては、特にバラエティ番組を作るときにどのような考え方をしているのか、著者の頭の中が覗けるようで面白い。つかみの例やボケ、共感、笑いなど、実際の会話の例をたくさん盛り込んでおり、脚本や台本を書いている人なら、ネタに困ったら役に立ちそうだ。

 基本的には著者がどのように考え、行動しているかを書いてあるため、では一体、この本は何の本なのか、ちょっとわかりにくいし、説明しずらい。TV番組同様、誰にでも役に立つと言えば立つかもしれないし、1500円払うほどの中身はないかもしれない。TVというのは基本的に流出のメディアなので、そのノリがこの本にも反映されているのだろう。

 で、結局、この本の何が面白いかといえば、番組を作っている人というのはこういう発想をするんだ、ということ。タレントの配置とか、情報番組での情報のカットの仕方だとか、いかに万人ウケするために、チャンネルを変えられないために、何を考え、どのように番組を作っているのか、そういう細かいネタが満載である。

 私はTVを見ないのでこれを読んで思ったのは、TVは感情に訴えかける娯楽なんだな、ということと、制作側は大変だな、ということ。昔はもう少しTVが勉強になったような気もするのだけれども、今はそうでもないと感じるのは、きっと視聴者がそれをTVに求めなくなってきているのだと思った。それはTVのせいというよりも時代の流れなのだろう。

 そんな中で万人に受けるTVを作ろうというのだから大変だ。仮説を立て、プレゼンをし、番組を組み立て、結果は放映されないとわからない。しかも相手は気まぐれな視聴者だ。これは本当に大変な仕事だろう。

 そういえば、最近、電車などでTV番組、特に新番組の宣伝をよく見かける。考えてみれば、新番組は新商品と同じ。最初に見てもらえるかどうかでその後の視聴率も変わってくるだろうから、この時期しか宣伝する機会がないのだろう。一般消費財と違って流れたら終わり。大変なことだ。

 私がこの本を活用するとしたら、研修やセミナーを組み立てるときに参考にするだろう。そういう意味では、同業者にはお勧めできる。しかし一般的にどういう人に役に立つのかは、その人次第、という気もする。

 どういう人に役に立つのかわからないが、何となく誰にでも役に立つ気がする。これがきっと、一億人に向けてのTVが持つスタンスなのだろう。そういうポジションを感じるという意味で、貴重な一冊である。


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