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2008.12.01 Monday

ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か

まあ、そんなことだとは思っていたけど。。。

 以下の項目にあてはまる人はいますか?

□一戸建ては親が子どもに残せる財産だと思う
□海外ブランドが好きだ
□インターネットは世界から貧困や不平等をなくすと思う
□チャリティ・コンサートなどを介してアフリカに寄付をした
□低脂肪表示の食品を好んで食べている
□セレブな生活にあこがれている
□政治がもっと良くなれば、生活が豊かになると思っている
□空港でのチェックが厳しいのは仕方がないと思う

はい。一個でもチェックがついた人はこの本を読まない方がいいかもです。ショックが強すぎて、こんな本読めるかー!ってなるかもしれません。

さて、前回に引き続き、世界を俯瞰してみましょう、という本です。今回の著者はイタリア人。名前がナポレオー二ってことは、ナポレオンの女性形でしょうか? すごい名前ですね。相応しい名前です。経済学者であり、この本はイタリアでベストセラーになったようです。

経済の暴力が政治を無視して展開している。簡単に言うと、彼女はこれを、ならず者経済(rogue economics)と呼んでいるわけですが、この結果、どういうことが起きているのか、ということがよくわかります。

ロシアの財閥が売春で稼いだり、アフリカへの資金援助が弾薬に化けたり、海賊やマフィアがグローバル化したり、中国とイスラムがそれぞれの形で発展してきている、ということがよくわかります。

特に中国。孫子や易経まで引き合いに出してくるあたり、著者の引き出しの多さにも驚きます。ここまで言い切っていいのか?という部分がないわけでもありませんが、まあ、これは著者のキャラクターなのでしょう。

そんなことより、ここで語られている個々の現象が、日本の私達の生活や暮らしにも、確かに影響しているな、と思える点です。21世紀になって増えている奴隷達が作ったものが冷蔵庫にあったり、スタバがコーヒー豆を搾取したりとか、あるいは日本でなぜワーキングプアが出現しているのか、食べ物にいろんな物が混入するのか、そういうことにいちいち心当たりがあって、ヒットしてしまい、一気に読んでしまいました。

グローバル経済が進展すると、領土を超えたところで、政治が機能しなくなる。そこでならず者経済が勢いづく、というけです。これはちょうど警察の管轄を超えた捜査がやりにくいというのに良く似ていますね。

一方で政治やメディアは夢のような生活やハッピーを演出するわけです。しかし、なんか気持ちいいと思えることはたいてい、騙されているのです。

これだけ企業環境が厳しくなっているのは、要は、奴隷制と搾取で作られた富と勝負しているわけです。このステージで勝とうと思ったら、同じ事をするしかありません。

ということで、なのかはわかりませんが、日本企業も相当えげつないことをしてるんでしょうね。そういえば、関税ごまかして商社マンが、というような記事もありました。

あちこちのならず者っぷりをこの本で読んでいると、2つの感想が同時に起こってくるのではないでしょうか。混乱期なので俺も一儲け、と考える人、そして、こんな世の中を変えることはできないの?という見方。

たまたま新聞に、文科省を襲うと脅迫して逮捕された東大生の記事が載っていました。教科書で習ったことと現実があまりにも違うので、責任を取らせようと思った、というのが動機らしいです。いや、確かに私達が信じているすばらしい世界の像と現実の世界というのはずいぶん、違うようですね。

では、そういう世界が現実として、どう生きていくのか、というヒントも、実はこの本にはたくさん書かれているように思います。ただし、普通に読むのではなく、書かれていないところに目を向ける必要がありますが。。。

なぜ、マフィアや中国人、あるいは海賊はインターナショナルな組織を作ることができるのか、奴隷はなぜ生み出されるのか、テロ対策の強化こそ、もしかしたらテロの目的だったのではないか、そういうことをひとつひとつ疑いながら読んでいくと、この本の批判的で挑戦的な口調の裏に潜む、著者の作戦が透けてくるように思います。

気づかない間に、あなたが搾取される側にまわらないために。。。


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