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2008.10.19 Sunday

営業と詐欺のあいだ

本当の詐欺はどこにある?

 アメリカ消費帝国の崩壊が伝えられている。なんでも、アメリカ人の皆さんは、ローンで住宅を借り、その住宅を担保にしてお金を借りて、車やら家電製品やらゲーム機やらを買っていたらしい。中には、住宅を担保にして借りたお金で住宅を買い、それを担保に、、ということをしていた人もいたそうだ。

 日本人は日本人で、これからは貯蓄よりも投資だよ、という言葉にのせられ、株を買ったらおお、あがる、で、喜んでいるとヘッジファンドに売り抜けられて暴落。そんなことを繰り返しているうちに、財産はどんどん減っていく。そんなことを繰り返している。

 どちらも何かがおかしいのだけれど、何も疑わないで、自分で考えていると思って、実は誰か胴元に動かされている。これぞまさに詐欺だ、とこの本を読んで思った。


 この本を紹介するべきか否か、とても迷った。テクニック集と捉えてしまうと、人の心理につけこんだ巧妙な売り方=詐欺的手法をマスターできてしまう。逆にだからこそ、騙されないための防護策としても読める。

 読める、のだけれども、その部分はあまり書いていないので、敢えて、詐欺的な手法にかかってしまわないために、ここで強調して書いておこう。

 この本の63ページに、詐欺や売り込みが成立する、3つの人間の習性が書いてある。

1.自分にしか興味がない
2.そのくせ自分のことがわからない
3.どこか幸せじゃない

 この本では、コンサルタントの売り込みの例で使われているが、この3つの性質をひっくりかえさない限り、詐欺は防げないんじゃないかと思う。

 つまり、

1.他人にしか興味がない
2.自分のことを理解する
3.いつも幸せでいる

 本当でなくてもいい。こういうスタンスに立つことで、詐欺やしつこい売り込みは撃退できる。嘘だと思ったらやってみてほしい。

 他利を考え、自己を理解し、自己実現している

 こう書くとなんだか悟りでも開いたようだが、実際のところ、この本から導き出される防御法の結論は、無欲になる、ということなのかもしれない。

 そして無欲にはなれなかったアメリカでは、人の感情や心理につけこみ、物をどんどん買わせるテクニックがどんどん生まれ、発達していった。この本をテクニック本として読むなら、そんなテクニックの基本が簡単に手に入ってしまう。

 どうにも矛盾した話だ。この本を紹介することで、詐欺的手法を使う人が増えるのか、それとも身を守れる人が増えるのか。

 それは結局、この本の問題ではなく、この本を読む、あなた自身の問題なのだろうと、今は思っている。

 売れないとお悩みの営業マンの方、騙されてばかりと嘆く消費者の方、どちらにも読んでいただきたい一冊である。


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