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2003.03.08 Saturday

本田宗一郎夢を力に

異色の自動車メーカー、世界のHONDAはこうして生まれた。

本田宗一郎夢を力に
本田 宗一郎著
日本経済新聞社
(2001.7)

 HONDAという会社はヘンな会社である。バイクメーカーでありながら自動車メーカーとなり、最近ではロボットを作ったりしている。ときどき爆発するように売れるFitなどの車を作り、かといえばスーパーカブは新聞屋さん、おそば屋さんのシンボルともなっている。そのデザインもエンジン音も私の記憶している限り、ずーっと変わっていない。

 この本は日経新聞に連載の名物コラム、私の履歴書をまとめたものである。しかしこの本の構成は、そうした出自を持つ書籍のなかでも異色であろう。この本の前半は、本田宗一郎が昭和37年8月に連載したものをまとめている。そして後半は本田宗一郎と、彼を創業当時から支え、世界のHONDAを生み出した最強の裏方、藤澤武夫の経営思想と行動を明らかにする。この2つの部分があって初めて、HONDAの原点が理解できる。この本の作りそのものがHONDAである、と言っても良い。

 本田宗一郎の名を知る者は多い。しかし、経営の天才、藤澤武夫のことを知るものは少ない。本田を認め、モノ作りに専念させる傍ら、資金繰りに奔放し、本田にスーパーカブを作らせ、会社が軌道に乗ってからは、人創りの仕組みを重要視し、本田のDNAをきちんと後継者に移行させた。

 この本を読むと、経営というものは結局、人間力なのだということがわかる。ヒトの想像もできない努力と意志があって初めて、世界は広がっていく。ともかく本田の夢は巨大で楽しい。このワクワクがHONDAを世界のHONDAにしたのだ。

 それは欧米型の経営手法とは違う、極めて人臭い、「町工場」的なモデルかもしれない。しかし、会社が人の集まりである以上、MBAや経営工学では決して「学ぶ」ことができない、「人」による経営がイチバン大事なのだ、そう考えさせる1冊である。


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