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2003.03.12 Wednesday

ブックオフの真実 坂本孝ブックオフ社長、語る

出版界のバイオハザード、語る。

ブックオフの真実
坂本 孝編著
村野 まさよし編
松本 和那特別ゲスト
日経BP社
(2003.3)

 編者の村野氏いわく、「出版関係者が何人か集まると、「ブックオフはけしからん。出版界全体の敵だ。害悪だ。抹殺しろッ」などと、ブックオフ批判に花が咲くのが、ここ2、3年の出版界の常識だ。」ということらしい。

 ブックオフといえば今や誰も知る新古書店(と、言うらしい)の代名詞だ。でもね。その社長の「本」を出す、ってことは、これが結構、「出版界」にとっては大変な一大事らしい。だからこの本の前書きは、編者の村野氏の「この本を成立させるのに苦労した」というお話が中心になっている。

 私は「本」は好きだし愛してやまない。けれども、「出版界」とかいうものを愛しているわけではない。

 普通の世界に生きている人間にとっては、ブックオフに行くか行かないかは、「ぱりっとした真新しい本が好きな人」と、「古本でもいいし、別に本を探していない人」のパターンでしかない話だと思っていたのだが、「出版界」という世界では、そうではないらしい。

 この本は後半が非常に面白い。坂本氏のビジネス感覚は常識を覆すなのかもしれないけれども、しごくもっとも。曰く、「マーチャンダイジングを放棄するところからスタートした」「エリアマーケティングを考えた」「アンチ目利き主義」「本への思い入れを捨て、徹底したマニュアル化を」「再販制度で小売りの力が弱くなる」などなど。しかし、商品があって適正な価格がつけられても別にエライとは思わない。人材を育てる仕組みを徹底的に考えたところがブックオフの力になっているのだな、と感じた。

 この本の後半は純粋にビジネス書としては面白いし、徹底的に「人」を基本にした坂本さんの経営手腕はすごいし、正しいと思う。だからこそ、「出版界」とやらの常識がヘンなのかな、という気はしてしまう。

 ひとつ腑に落ちないのは、出版社のエライ人がオシノビで坂本さんに会いに来たり、文庫や新書などの低単価商品で再販くずしをしている、という点。ブックオフが業界を変えるのはいいけれども、買う人の限られている「本」を単純に低単価にしても「客」が増えないから、単純に考えれば「出版界」の首をしめる施策だよなぁ。本の値頃感をブックオフ並に引下げる、ってことでもあるのだろうし、出版社のエライ人も坂本さんの術中にはまった、ってこと?

 ともあれ、「出版界」的には貴重な本、らしい。本の業界が好きな人か、業界の規制と戦うビジネスマンならとりあえず、この本が絶版に追い込まれる前に買っといてはいかがだろう?


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