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2003.01.13 Monday

オルフェウス・プロセス 指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント

リーダーがいない、とお悩みのあなたに――。

オルフェウス・プロセス
ハーヴェイ・セイフター著
ピーター・エコノミー著
鈴木 主税訳
角川書店
(2002.11)

 アメリカ、カーネギーホールの幕が上がる。奥に打楽器の演奏家たちがいる。管楽器のスタッフも揃っている。手前にはバイオリンが見える。そして観客の拍手が終わり、演奏が始まる。しかし驚くべきことに、そこには指揮者の姿が見えない。しかしその演奏は創造的で刺激的。演奏家たちも指揮者の独裁から逃れ、生き生きとした音を奏でている――。

 この本は世界で唯一、指揮者の存在しないオーケストラ、オルフェウス室内管弦楽団のチームワークとリーダーシップの秘密に迫った画期的な書籍である。

 考えてみると、組織やチームというものは、人が一人ではできないことを実現するために集まったものである。しかしそこできっちりとしたヒエラルキーが生じるとき、人の能力は最小限の形でしか発揮されなくなる。「やらされる仕事」が恒常化してしまうのだ。このとき一人一人の生産性というのは極端に低くなってしまう。また、こういうときに目標を見せて人を奮い立たせることのできる強烈なリーダーが求められることも多い。しかし、それは唯一の正解ではない。リーダーシップの実現は、絶対的なリーダーの存在なしでも可能である。

 そのお話のような答えを現実のものにし、目の当たりにしてくれるのがこの本でオルフェウス・プロセスと呼ばれる方法である。この本に書かれているオルフェウスの8つの原則は以下の通りである。

 1.その仕事をしている人に権限をもたせる
 2.自己責任を負わせる
 3.役割を明確にする
 4.リーダーシップを固定させない
 5.平等なチームワークを育てる
 6.話の聞き方を学び、話し方を学ぶ
 7.コンセンサスを形成する
 8.職務へのひたむきな献身

 口で言うのは簡単で、しかもそれぞれの項目にはいくつもの落とし穴がある。それが書かれているのがこの本の親切で実用的なところだ。オルフェウス・プロセスを実践している企業としてこの本に出てくるのは、リッツ・カールトン、インテル、J・P・モルガン、モルガン・スタンレー。いずれも現場スタッフがサービスや製品を最高の水準にしている企業群である。

 さて、あなたの会社の仕事は創造的で、楽しく行われているだろうか? できていなければこの本と、オルフェウス室内管弦楽団の音楽がオススメだ。あなたの組織が生き生きとした音を奏でるために――。


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