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2007.07.01 Sunday

グーグル革命の衝撃(NHKスペシャル)検索があなたの人生を変える

我々は検索エンジンに支配されつつあるのだろうか?

 このNHKスペシャルが放映されたとき、私は大きな期待と驚きをもって番組を見ていた。

 2人の学生がガレージで始めたというGoogle。
 日本ではともかく、世界的に圧倒的なシェアを得た。

 そのやり方に当時は驚いたものだ。まさか世界のサイトすべてをクロール(巡回)して取り込もうなんて! そんなシンプルな発想をするのはよっぽどの馬鹿か天才だな。そう思った。 

 で、結果はどうやら後者だったようだ。個人のサイトを広告媒体に変えてしまうAdsence。高価な衛星写真を無料で公開し、そこに広告を載せていこうとするGoogleアース。どれもめちゃくちゃなアイデアだが、彼らはこのめちゃくちゃを実現させてしまう。

 テレビでは放映されなかった、Googleの創世記の話がこの本には書かれている。GoogleのDNAがわかってとても面白い。

 最初のアイデアを実現するために、当時まだ学生だった創業者2人が取った方法は、学校の中に不要で転がっていたパソコンをつなげてサーバーにすることだった。ちなみにこれらのパソコンはマイクロソフトからの無償提供だったというから、今、Googleの成長に脅かされているマイクロソフトにとっては皮肉なお話だ。ともかく、どこれで非常に格安で、拡張性の高い仕組みができあがったわけだ。

 この仕組み、なんと実験段階を終え、Googleが仕組みとして成長していく間も同じような仕組みだったというから驚きだ。笑えるのが、その維持方法。この方法は実は原材料は安くつくが、電気代がべらぼうにかかるという。そこで2人は、サーバーを置いてくれるサービスをしているサーバーホスト屋さんのエリアを「電気代込みでいくら」という条件でレンタルしていた。そしてその後、そのホスト屋さんは間もなくして必ず倒産する。なぜなら、間違いなく、Googleが使用する電機代が払えなくなるからだ。

 当時、Googleのこの仕組みには移動式のキャスターがついていたという。すばやく移動して、次の「電気代込みでいくら」という条件でのレンタル先へ移動するためだ。天才の考えることは時に、非常にはた迷惑だ。

 そんな風にふんだんに電気を貪り食って成長するGoogle。ベンチャーキャピタルからの出資も受け、巨大な検索王国として、世界中を席巻しようとしている。

 この本が心配しているのはその先の未来だ。

 Googleで検索し、Googleで収入を得、Googleで物を買い、Googleに個人情報を提供し続ける人々。Googleが個人の嗜好に合わせてカスタマイズした広告を出そうとしたとき、そこに個人の選択の自由はあるのだろうか?

 もともと人が検索で物を探すのは、自分で何かを探したいと思うからだ。しかしそこに答えを前もって用意しておくというのはとてもうまくいきそうな方法ではあるが、しかし、それで本当に人の「自分で何かを探したい」という願望はかなっているのだろうか?

 映画マトリックスで、つながれたまま白昼夢を見させられていた人間達。我々は自由にインターネットを行き来して、情報を集めているのだろうか。それともそこはつながれた牢獄なのだろうか?


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