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2007.07.02 Monday

ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ

ふたたび世界が協働する日を夢見て

 私はコンサルでもあり、コーチでもあるので、最近、よく世に言う「新入社員が辞める」とか、「若手社員がヤル気をなくす」について、2つの方向から考えてしまう。

 ひとつはコミュニケーションの問題。違う価値観、ジェネレーションの人が協働する以上、コミュニケーションをきちんと取らないとね、という問題。こちらはどちらかというと、コーチとしてのアプローチだ。


 そしてもうひとつ、そもそも今の会社という組織がもう陳腐化し、無効になっているのではないか、という話である。これはコンサルとして、若手起業家や、新しい会社の設計をしていて思うこと。あんなに何でもかんでも抱え込んでしっかり守ろうとする会社、今の時代に合ってるの? 効率はいいの? ということをときどき思う。

 この本は後者の私にとって、非常に示唆に富んだ一冊。

 典型的な例をあげよう。ある会社がIT技術者達がコミュニケーションを取るようにするために、WIKIという仕組みを立ち上げた。しかし誰も使わない。もちろんマネージャーは怒った。しかしよく聞いてみると、皆はネットゲームの仮想空間の中で、既に「勝手に」コミュニケーションしていた、というのだ。

 他の例。ある会社が新製品を作り出すのに必要な技術があったが、どうもうまくいかない。通常ならプロジェクトチームを立ち上げて解決するが、今回は、社の外にできる技術がないか探ってみた。田舎のパン屋が可能な自作の機械を持っていた。それを買い取って解決した。

 旧約聖書によると、人は神に近づこうとして巨大な塔を作った。それが神の怒りに触れ、塔は破壊され、人は他の人の言葉がわからなくなった。そして人は小さな集団を作り、互いに争うようになった。いわゆるバベルの塔のお話だ。

 インターネットの技術の進歩と普及、そしてそれが当たり前の前提になった世代の登場で、人々は再び集まり、協働しようとしている。そんなことをこの本を読んで思った。

 ちなみにこの本の表題、ウィキノミクスは、インターネットの世界に広がる世界最大の百科事典、Wikipedia から取られている。誰もが参加して記述していく百科事典。こういう考え方の経済の成立を事例たっぷりに描いたのがこの一冊だ。その行動原理は4つ。オープン性、ピアリング、共有、グローバルな行動。詳細は実際にこの本を手にとって読んで欲しいが、いかに旧来型の組織では動けないことが、先駆的な企業で意思決定され、行われているのか、驚くことだろう。

 社会環境のネットワーク化とともに、組織も企業もネットワーク化していく。この考え方を理解し、ヒントを得るために、読んでおきたい一冊である。

 世界の人が一緒に働けるのだから、同じ社内も大丈夫、ですよね?


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