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2007.04.29 Sunday

人はなぜお金で失敗するのか

人はなぜお金で失敗するのか?を心理学で解明する

人はなぜお金で失敗するのか
ゲーリー・ベルスキー著 / トーマス・ギロヴィッチ著 / 鬼沢 忍訳
日本経済新聞社 (2003.10)

 ノーベル経済学賞、あるいは証券会社のCMなどでも知っている方がいるかもしれない。行動経済学者のトーマス・ギロヴィッチがジャーナリストとともに書いた一冊。簡単に言うと、人が何でお金の使い方や投資で失敗するのか、実例を挙げて説明してくれる一冊。これを彼は、人が経済的に合理的な考え方ではなく「心の会計」で判断している、ということだ。

 例えば、カジノはなぜ儲かるのか。簡単である。儲かったところで人が掛けるのを止めないからだ。人はなぜか負けるまで辞めない。まあ、簡単に言うとこういう話がたくさん紹介されている。

 面白い例をひとつあげよう。人が高額の臨時報酬を受け取ったときと、まあ、高額ではないが、ちょっとした報酬を受け取ったときの支出を比べると、後者の方が無駄遣いをする可能性が高い。100万円もらって150万円使う人は居ないだろうが、1万円入ったからといって、1万5000円くらい散財してしまう人はいるだろう。人間としてはいい人かもしれないが、お金の貯まる人という印象はない。

 こういう例がいくつもあげられている。読んでいるうちに自分のお金に対する感覚が決して合理的なものではないということに気づいていくだろう。自分へのご褒美だから、とか、せっかくだから、とか、ちょっとした贅沢で、などというフレーズが大好きな人にとっては心が痛む一冊かもしれない。

 だとすると「お金を使うときの10の心構え」と言う風にまとめてくれればいいのに、と思うだろうが、そうはいかない、と彼は言う。彼が例として「ダイエット教室」の比喩をあげている。ダイエット教室の客はほとんどがリピーター、つまりは常連客である。っていうことは、どのプログラムも、(とは限らないが、と言っておこう)効果がなかった、ということ。人は自分の外に理由を求める限り、変わらないものなのだ。

 そこで著者が言うのは、まずは自分をわきまえ、謙虚になってきちんとお金の使い方を管理しなさい、ということだ。

 しかし、別に著者はお金を賢く使いなさい、と言っているわけではない。そうではなく、ポリシーを持って使いなさい、ということだ。一貫性を持たない投資、矛盾した浪費はやめなさい、と言っているだけ。使ってしまった手元にないお金が原因で物事を判断したり、人が薦めるからと言って思考停止に陥ったりしないように、ということを言っている。

 それでも「考慮すべき原理」というのは紹介されている。紹介しておこう。

「あらゆるお金を同じように使う」「損失による失望は、利益を得る喜びより大きい」「使ってしまったお金に意味はない」「どういう見方をするかですべてが決まる」「数えるのが面倒でも、すべての数字を大事にする」「小さいことを重視しすぎない」「自信は勘違いであることが多い」「失敗を認めるのは難しい」「トレンドはフレンドではないかもしれない」「知りすぎかもしれない」

 そして「取るべき手段」はこちら。アメリカの常識と日本の常識とは違うとは思うし、最後に紹介しておこう。

「保険の免責金額を上げる」「小さい損失には自家保険をかける」「非常用の資金でクレジットカードの負債を完済する」「インデックスファンドに乗り換える」「投資を分散する」「資産を再吟味する」「退職金設計を最大限利用する」「給与天引プランを設定する」「最後に、お金の使い方を追跡する」

 その中で「お金の使い方を追跡する」くらいは、今でもできそうではないだろうか? GWに散財するのもいいかもしれないが、この機にお金の使い方を考え直してみてはいかがだろうか?


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