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2007.03.20 Tuesday

ボクがライブドアの社長になった理由(ワケ)

ホリエモンが作ったもの、壊したもの、残したもの

ボクがライブドアの社長になった理由(ワケ)
平松 庚三著
城島 明彦構成・聞き書き
ソフトバンククリエイティブ
(2007.3)

 この本の読み方は何通りかあるだろう。

 まず、現ライブドア社長、平松庚三氏がどういう人物なのか、ということを知ることができる。
 次に、あのライブドア・ショックの裏側で何が起こり、彼が社長に就任したのかということ。

 そして最後に、ホリエモンが作ったライブドアという会社、あるいはライブドアという会社を仕立てたホリエモンが、何を作り、壊し、そして残したのか、ということ。

 平松氏は元ソニー、その後、アメリカンエクスプレスからIDGの社長に就任、その後、AOLの社長、弥生の前身であるインテュニット社長、そして弥生をMBOで独立させ、現ライブドア社長。つまりは雇われ社長の再建屋さんである。

 この本を読むと、平松氏に社長就任依頼をしたのは堀江氏その人だったということがわかる。しかしよく彼がこの会社に残っていた。

 平松氏はライブドアの再建に関し、人に関しては、マネジメント層以外については問題だと感じていないようだ。曰く、

「世間では「虚業」とか、「何をしているのかわからない会社」といわれていたライブドアが、実は高度な技術集団を抱えたテクノロジーカンパニーだった」(P262)

 人が集まり、残ったこと。マスコミでは広報担当の乙部氏が退社したときに、ライブドアから人が逃げているかのような報道もされていたが、実際にはそうではなかったようだ。(このときの事情もこの本に書かれている。

 逆に技術者上がりの堀江氏は、経営的な常識を単に技術論であると勘違いしてしまったのではないか、そんなことをも感じてしまう。これほど技術者が優秀なこの企業に対し、あまりにも人脈を持った「大人」がいないからだ。

 というわけで、平松氏である。ソニーの大賀氏に可愛がられ、あのナベツネが仲人だという。世代的なものもあるかもしれないが、この人の人脈はすごい。

 そしてさらに会社や技術を「買う」ことにしたために集まってしまった人的ネットワークもすごい。詳しくは書かないが、平松氏がライブドアの事業ひとつひとつについて、過去に関わった人々に支えられて再建を行っているのは想像に難くない。

 ホリエモンは若さゆえにパワフルだし、おそらく天才でもあった。しかし天才であるが故に、その手にしたものを活かしきれなかった。結果、幼稚な数字のゲームに巻き込まれ、敗れた。

 しかしその残したものは価値が半分になったとはいえ、ある程度の大きさのものである。そして人も残っている。

 もし、どこかの地点でホリエモンがライブドアという会社の成長スピードを緩めることを選択していたら。WEB2.0時代の特性を活かし、さまざまなアドバイザリーボードの知恵を受け容れるような態度を取っていたら。

 今の状況はかなり変わっていたかもしれない。そんなことを思った。


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