2007.03.07 Wednesday
チーム・キットカットのきっと勝つマーケティング テレビCMに頼らないクリエイティブ・マーケティングとは?
マス・マーケティング時代の終焉と新しい意味の創造(クリエイティブ)
筆者は外資系広告代理店の元副社長。特にブランド作りに定評があり、英会話スクールのNOVA、ハーゲンダッツ、デビアス・ダイヤモンドなどのプロモーションを手がけた。この本はその中でも話題になったキットカットの成功体験を詳しくつづった一冊。
筆者は外資系広告代理店の元副社長。特にブランド作りに定評があり、英会話スクールのNOVA、ハーゲンダッツ、デビアス・ダイヤモンドなどのプロモーションを手がけた。この本はその中でも話題になったキットカットの成功体験を詳しくつづった一冊。
きっかけはキットカットのブランドづくり。それまでは仕事や勉強の合間にブレイク(休憩)しよう、ということで、数年やってきていた。結果、主婦の皆さんが子供にまとめ買いして与える、という感じであった。ポッキーの後塵を拝して万年2位。それがキットカットのブランド・エクイティ。
これを何とかしようということで、もっと若い層にターゲットを絞った。果たして中学生・高校生。彼らが自分のお金で買ってくれるにはどうすればいいか。そこからのブランド再構築を始めた。
で、調べてみたら、休憩時間というのは彼らにとっては楽しい時間というイメージではなかった。彼らがハッピーなのは、むしろ勉強やその他、やらなければならないことから開放されたストレスフリーな状態。
キット勝つ
これが新しいブランド展開の始まりだった。
と、ここまで書くと何だかサクセスストーリーのようにも見える。しかしその実態は「既存のテレビCMが効かなくなっている」ことへの問題提起からスタートしているのが面白い。
結果、彼がたどり着いたのは消費者に対して働きかけるために斬新な新しい価値と手法を提供していくことに、「クリエイティブ」を働かせよう、というもの。まさにブランド創造。そしてそれは人の生活に新しい感覚を埋め込むことでもあった。
で、筆者はCMの効果、限界というものを感じていたということで、もっと効率の良いメディアを探した。そして気づいた。コミュニケーションが取れる媒体であれば何でも、メディアに成り得る、と。
例えば、HP上で放映するためだけのショートムービー。オリジナルCDとのコラボレーションでCDショップを使った新しい販路、学校の卒業式でのゲリラライブ、本郷三丁目の街をジャック、そして受験生の泊まるホテルでの手渡し。
ひとつひとつは細かいことでも、相乗すると大きな効果が出る。まさにクロス・メディア・マーケティング。そして、キットカットは確かに若者の心にひびくブランドになった。
広告というとすぐに新聞・テレビ・雑誌と考えがち。新しいビジネスを起こそうという方や、きわめてニッチなマーケットを狙おうという方にお勧めの一冊。
この本読みました。
キットカット成功の物語と共に、
いろいろ学ぶことができました。
確かに、ニッチなマーケットほど
効果がありそうですね。
TBさせていただきます。