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2007.02.18 Sunday

「3年目社員」が辞める会社辞めない会社 若手流出時代の処方箋

人材の証券化時代、まずは組織のポリシーを


 先日、転職を繰り返す友人から聞いた話だ。彼は転職サービスによるヘッドハンティング(実際には彼はトップマネジメント層ではないので、ヘッドではないのだけれど)によって転職したわけだが、その後、半年すると、また同じ会社から別の転職話が来るという。転職すればさらに年収アップ、という話だ。で、彼はまた転職する。

 なぜ半年後かといえば、転職後は半年以上、勤務しないと紹介料がもらえないから、とのこと。逆に言えば、半年過ぎたらまた転がせば利益が出る、というモデル。何だか株か債権、あるいは地上げ屋のような話だ。

 では転がされる方の人や組織はどうなるか。これはたまったもんではない。組織の側は高い金を使っていい人を雇った。やれやれ、と思ったら、半年したらいなくなる。要は高い金額で派遣社員を雇っているようなもの。そうしたらまた新しい人材を探して・・・。これでは自転車操業状態。

 もちろんこれは極端な話ではあるが、おそらく一度、転職で給料アップを味わった人は転職の常連になる。そういう生き方をしようとする。だから、転職斡旋会社は人が転職したくなるようなCMを流し、今の会社から移るように煽り立てる。また、「第二新卒」という言葉を生み出し、転職を応援する。まあ、もちろん悪いことばかりではないのだろうが、こういうマーケットがあることを、まず、認識すべきだろう。

 その上でこの本を読んでみた。帯には「やる気を生み出す自律組織のつくり方」とある。著者は元アクセンチュアで現組織コンサルタント。新卒採用の3割から4割が退社するという現実を前に、どのように組織を作っていくべきか、ということが語られている。

 乱暴にその方策をまとめると、まず、辞めなさそうな人材を採用する、上司が部下の成長を支援する「成長プロデューサー」になる。自律型人材を活かせる「自律型組織」にする。とまあ、こんなところだろうか。

 この本で思ったことは、やはり組織が人材をどのように考えているか、その選択が迫られている、ということだろう。人材の流動化を当たり前のことと捉え、そういうもんだとして割り切って、人に依存しない仕組みを作る。極端な話、バイトと派遣で会社が動くような形にする、というもの。逆に、採用自体は極力少なくし、ただし、ずーっとその会社に骨をうずめるような人材のみを採用する、というもの。こういう人事ポリシーを決めないまま、「転職サービスを活用して、いい人を採用しているけど、なかなか離職率が下がらないんだよねぇ」などと言っているようであれば、まず、その意識を変える必要があると思う。数字の離職率を下げることを考えるのなら、まず、ザルになっている組織を変えないと、穴をふさがないといくらやっても無駄である。

 個人的には、人がずーっと勤め上げたいと思う会社はやはりいい会社だと思うのだけれども、これは今の日本では古い考え方なのかもしれない。


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