2009.11.22 Sunday
健全な組織は価値観の経営を目指す〜共感を呼ぶ情報発信力が顧客を創造する〜
あなたとあなたの会社が滅びないように
アメリカには、マルコム・ボルドリッジ賞という国家賞があります。大統領が企業や組織に賞を与えるというもので、その仕組みはヨーロッパやアジア、そして日本にも紹介されています。簡単に言うと、組織の経営のクオリティを審査するもので、日本では、日本経営品質賞という賞になっています。
アメリカには、マルコム・ボルドリッジ賞という国家賞があります。大統領が企業や組織に賞を与えるというもので、その仕組みはヨーロッパやアジア、そして日本にも紹介されています。簡単に言うと、組織の経営のクオリティを審査するもので、日本では、日本経営品質賞という賞になっています。
この経営品質をもとに、顧客価値や組織の在り方について、賞を受賞したこともある株式会社リコーの田村さんが書かれたのがこの本です。
書かれた、というのは実は違うかもしれません。書いた部分、引用の部分、そして喋ったことを書き起こして編集した部分が入っています。文体が違うのですぐわかるのはわざとなのでしょうか?
先日、田村さんのお話をお聞きして、とても面白く、その影響ですぐに購入してしまったのですが、なぜ、田村さんの話が面白いのか、その秘密がわかりました。
簡単に言えば、田村さんはご自身のやっていることをよく理解しているからです。そしてそのために喋っている。それはこの経営品質の考え方を少しでも多くの組織や企業に普及して、少しでも多くの組織や企業を健全にしたい。その思いからなのです。
価値観の経営を目指す、ということは、理想のために生きる、ということです。これは実は宗教や哲学の分野の話であり、高度成長時代の日本人、あるいはITと金融に特化したアメリカ経済が忘れてしまっていたところなのかもしれません。
もちろん、価値観の経営を目指すためには、他人にちゃんと受け入れられるものでなければなりません。この本でも紹介されている和民の渡邊さんの例は、1兆円を目指す、としたら現場がうまくまわらなくなったので、世界でいちばんありがとうの数を集める、に変えたそうです。おそらくこれで1兆円は達成されるだろう、と田村さんは語ります。
なぜ、トヨタがダメになったのか、ユニクロやディズニーランドはどこが違うのか、さまざまなネタが満載ですが、多くの事例からの考察や体験を通して伝えていることは、これまでの時代は終わった、頭を切り替えないと生き残れませんよ、ということです。
あなたとあなたの会社が滅びないように、切り替えスイッチを押してくれる一冊です。そして読み終わるととても元気になれます。